概要
MetaTrader 5 は、市場分析、インジケータ実行、戦略自動化を可能にする総合的なトレーディングプラットフォームです。自動化を可能にするために、MetaTrader には独自のプログラミング言語 MQL5(MetaQuotes Language 5) が含まれています。これは C 言語に類似した構文を持ち、トレーディング自動化専用に設計されています。スクリプト、インジケータ、エキスパートアドバイザ(EA)を作成でき、取引実行を自動化できます。MQL5 はオブジェクト指向の導入や高速実行などにより、前身となる MQL4 より性能が向上しており、現代のアルゴリズムトレードに適した強力な選択肢となっています。
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できるようになること
- MQL5 プログラミング言語の目的と基本構造を理解する。
- MQL5 の4種類のプログラム(スクリプト、インジケータ、エキスパートアドバイザ、サービス)を識別できる。
- 各プログラムが、MetaTrader 5 のデータフォルダ内のどこに保存されるかを把握する。
- MQL5コードの作成とコンパイル用の開発環境 MetaEditor を起動できる。
コード例
//+------------------------------------------------------------------+
//| Hello.mq5 |
//+------------------------------------------------------------------+
#property version "1.00"
void OnStart()
{
// Entry point of a simple script
Print("Hello, MQL5 world!");
}
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実行手順
- MetaEditor を MetaTrader 5 から開く(アイコンをクリックまたは F4)。
- File → New → Script を選択し、名前を
Helloとする。 - 上記のサンプルコードをエディタウィンドウに貼り付ける。
- F7 を押してコンパイル。出力ファイル
Hello.ex5はMQL5/Scripts/に生成される。 - MetaTrader 5 に戻り、任意のチャートを開き、
Helloスクリプトをドラッグする。 - 下部の Experts タブを開くと、
Hello, MQL5 world!のログ出力が確認できる。
重要ポイント
MQL5 プログラムは MetaTrader 5 端末環境内で実行されます。各プログラム種別は明確に用途が異なります。スクリプトは単発処理、インジケータはデータ可視化、エキスパートアドバイザは自動売買、サービスはバックグラウンド処理。これらにより、トレーダーは戦略のほぼすべてを自動化する柔軟なエコシステムを構築できます。
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