概要
MQL5においてスクリプトとは、単一の処理を実行して終了する簡易プログラムです。新しいティックごとに常時動作するExpert Advisor(EA)とは異なり、スクリプトは起動時に1回だけコードを実行します。ログへのメッセージ出力、全ポジションのクローズ、一時的な計算処理など、継続更新を必要としない短時間処理に適しています。このセクションでは、最初のMQL5スクリプトの作成と実行手順を解説します。
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できるようになること
- MQL5スクリプトの構造と目的が理解できる
- MetaEditorを使って新しいスクリプトを作成できる
- MetaTrader 5内でコンパイルと実行ができる
- Expertsログウィンドウで出力メッセージを確認できる
コード例
//+------------------------------------------------------------------+
//| MyFirstScript.mq5 |
//+------------------------------------------------------------------+
#property version "1.00"
#property strict
void OnStart()
{
// スクリプト起動時に1回だけ実行される関数
Print("My first MQL5 script is running!");
}
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実行手順
- MetaTrader 5からMetaEditorを開く(F4)
- File → New → Script を選択しMQL5ウィザードを開始
- スクリプト名に
MyFirstScriptを入力しFinishをクリック - 上記のサンプルコードをエディタに貼り付ける
- F7でコンパイル。成功時はToolboxに “0 error(s), 0 warning(s)” と表示
- MetaTrader 5で任意のチャートを開き、Navigator → Scripts から
MyFirstScriptをチャートへドラッグ - MetaTrader下部のExpertsタブで “My first MQL5 script is running!” の表示を確認
重要ポイント
スクリプトは常に OnStart() 関数から実行が始まり、その内部処理が終了すると自動で停止します。単発の処理(ポジション操作、データ出力、短いコードの検証など)に適しており、学習用途から日常のメンテナンス作業まで幅広く活用できます。
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